日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が行う「2024年度病院経営定期調査-中間報告(集計結果)-」によれば、2023年度の医業利益における赤字病院割合は74.7%、経常利益における赤字病院割合は64.9%でした。2024年診療報酬改定の影響や働き方改革による人件費増、さらに医療資材の高騰などを受け、今後も病院経営はさらに厳しさを増してくることが予想されます。
加えて昨今、医療費の未払いが問題視されています。病院経営の課題はさまざまですが、赤字を解消するための第一歩として未収金の回収および防止策の徹底が重要でしょう。本記事では、未払いの医療費回収のフローのほか、債権回収業者の利用や最終的手段としての訴訟の種類、そもそも未払いを発生させない方法など、医療機関が抱える赤字を少しでも解決するための未収金対策について解説します。
厚生労働省が発表した「令和3年度 医療施設経営安定化推進事業病院経営管理指標及び医療施設における未収金の実態に関する調査研究」によると、令和3年10月および11月における1病院あたりの未収金額(患者負担の窓口未収金)はそれぞれ102万7000円、119万9000円でした。また1病院あたりの未収金発生実患者数はそれぞれ52人、59人だったと報告されています。
たとえば月額100万円の未収金が1年続いた場合、年間で1千万円の損害を被ることになり、経営への圧迫が懸念されます。そのため、未収金問題を解決することは経営安定化に向けた第一歩だといえるでしょう。
医療費の未払い、つまり未収金が発生した場合は、すみやかに対処して回収することを目指します。未収金が発生した場合は、基本的に以下の流れで対処しましょう。
まずは、なぜ未収金が発生しているのかを確認し、窓口で本人(または同伴者)と交渉しましょう。具体的に実施したい項目は以下のとおりです。
相手に支払う意向が見られない場合、まずは口頭で支払いの催促をします。一例として「明日までに支払いをお願いしたい」と告げ、それが無理な場合はいつまでに支払えるのかを確認するなど、支払い期限を確認することが重要です。
それでも支払いがない場合は、電話や文書による催促や患者宅への訪問を行います。また、第三者である債権回収業者(サービサー)などを利用するのも効果的です。
債権回収業者とは、借金や未払い料金などを債権者(この場合は医療機関)の代わりに取り立てる専門業者のこと。診療報酬はサービサー法に定める「特定金銭債権」に該当しないため債権譲渡はできませんが、回収業務を委託することは可能です。
上記の催促をしても対応してくれない場合は、内容証明で催告状(金銭の支払いを要求する書類)を送付してください。
内容証明とは、郵便法で規定される内容証明制度を利用した郵便物です。配達証明付きの内容証明郵便で催告書を送付することで、相手が受け取ったという事実を受取日とともに記録に残すことができ、問題の早期解決が期待できます。
未収金が回収できないことが明確になった場合、会計処理と一部負担金の処分請求をする必要があります。売掛金(治療費の一部負担や保険給付対象外の未収金)や債権者の損失を含む損失を損金処理として計算します。また、支払いがされない医療保険診療報酬一部負担金の未収金については、患者に対する一部負担金の処分請求を行います。
なお、診療報酬は令和2年3月診療分までは3年間、令和2年4月診療分からは原則5年間で時効消滅するため、期間内に未収金を回収することが求められます。
回収できなかった未収金については、訴訟などの手段を検討することになります。
加えて、勝訴判決などを得たにもかかわらず相手が支払わない場合、相手方の財産を差し押さえて債権を回収する「強制執行」という手段もあります。
未収金問題によって赤字やトラブルが起きることを防ぐために、医療機関にできることはあるのでしょうか。事前の防止・抑制策として、以下のような対策が考えられます。
医療費の未払いは、病院経営を圧迫する大きな要因の1つです。未収金問題に対しては、発生後の迅速な対応と回収努力はもちろん、事前の防止策を講じることが重要です。支払い方法の多様化や保険証確認の徹底、誓約書の活用など、さまざまな対策を組み合わせることで、未収金の発生リスクを軽減できます。
これらの取り組みは、単に未払いを防ぐだけでなく、患者との信頼関係構築にもつながります。未収金対策を通じて長期的な病院経営の安定化を図り、健全な経営を実現させましょう。
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