白石 様(以下、白石):
栃内病院は、1958年(昭和33年)に栃内巌先生が栃内整形外科医院として開院して以来、65年にわたって盛岡市肴町で医療提供をしてきました。2023年10月に仙北町に新築移転し、現在は整形外科に加えて脳神経外科、形成外科、リハビリテーション科、内科(循環器内科)、麻酔科も開設しています。年間手術症例も岩手県内トップで1,400件余りにおよびます。現在は、移転を機にさらなる医療の質の向上を図っているところです。
当院の特徴は、外傷のみならず高齢化社会における関節・脊椎の変性疾患に対応する最新の技術と機器を導入しており、より正確で早期の社会復帰を目指していることです。最近ではロボット手術も導入し、さらにリハビリ施設の充実と後方病院との連携強化にも取り組んでいます。
また、岩手のトップアスリートの育成とスポーツ復帰への道筋を作るための施設やスタッフの充実にも取り組んでいます。
白石:
建替えを決断した最大の理由は、建物の老朽化でした。肴町にあった栃内病院は昭和41年に建てられ、築60年近くが経過していました。診察室や手術室、配管など、全体的に老朽化が進み、リフォームを繰り返していましたが、最新、最良の医療提供が難しくなっていました。
また、患者さんの数が増加していたという事情もあります。元の病院は、建替え後の病院の3分の1程度の広さだったのですが、現在も患者数は現状とほとんど変わりません。そのため、以前の施設では患者さん一人当たりの専有面積が狭く、現代の医療基準に合っていない状況になっておりました。
患者さんとスタッフの動線が重なっていることの問題もありました。リハビリ施設も院内に十分なスペースがないことなどが重なり、「なんとかしなければならない」という強い想いが芽生えていました。
そこで、2017年ころから病院の新築移転を検討し始めました。当初、資金的な問題で頓挫しそうになりかけましたが、最良の医療を提供したいという想いが強くなっていたこともあり、実現する方法を探り続けていました。
白石:
総合メディカルを選んだ最大の理由は、私たちの問い合わせや要望に対して真摯に対応してくれる姿勢と、病院建設に関する知識を豊富に持っていたことでした。建替えの支援を総合メディカルに決めてからは、本当にすべての面でサポートしてくれました。実際、私は医師であり、経営者でもあるため、病院建設の細かい部分まですべて自分一人で管理することはできません。大きな方針は自分で考えましたが、詳細な部分は総合メディカルに任せることにしました。その結果、建設会社の選定前からプロジェクト全体を支える存在として期待通りの活躍をしてくれました。
白石:
はじめに要望したのは、私たちが理想とする医療を提供するために、どのような建物や土地が必要かを明確にしていくことでした。私たちがおこないたいと考える医療内容をどのように現実的な形に落とし込み、建物をどう作っていくか、基本構想から道筋を作ることをお願いしました。総合メディカルは、この道筋をしっかり作ってくれました。
土地探しには苦労しましたが、様々な提案いただき、立地の良い素晴らしい土地がみつかりました。仙北町駅のすぐ近くにこれほど広大な敷地が確保できるとは予想していませんでしたね。こうして少しずつプロジェクトが形になっていきました。
白石:
基本構想から資金調達、医療機器の選定、引越し支援、病院の運営に関するアドバイスまで、多岐にわたってサポートしてくれています。資金に見合う施設を作るための支援やさまざまな調整、銀行との折衝を粘り強くおこなってくれました。豊富な経験により、適切な落としどころを知っていて非常に助かりました。
驚いたのは、プロジェクト開始時にスタッフから集めた要望が、完成した建物にほぼすべて反映されていたことです。個室管理や廊下の広さ、リハビリ室の広さなど、さまざまな要望を出しましたが、私たちが最新、最良の医療提供を提供するために実現したかった機能はほぼ100%実現できました。
強調したいのは、このプロジェクトがコロナ禍で進められたことです。ほぼすべての打ち合わせがオンライン会議という状況で大規模な建替えプロジェクトが実現できたのは、総合メディカルのサポートがなければ不可能でした。盛岡、仙台、東京と離れた場所にいるメンバーをうまくまとめ、1つの画面にすべての関係者の意見を集約してくれました。物理的な距離を超え、スピーディーで効率的にプロジェクトが進行したのが印象的でした。
白石:
新しい病院に移転して良くなった点は数多くあります。一例ですが、待合室のスペースが大幅に広がりました。建替え前は40席程度しかなかった待合スペースが、現在は160人が座れるようになりました。以前はスペースが足りずに立ったままの患者さんもおられたので、目に見える大きな改善点だと感じています。
また、スタッフの動線を患者さんの動線と別にしたことで、業務効率が大幅に向上し、患者さんのプライバシー保護にもつながっています。手術室も2室に増え、それぞれ十分な広さを確保できました。
さらに、個室管理にしたことで感染症に強い病院となり、同時にプライバシーも確保できるようになりました。以前はカーテンで仕切られた多床室でしたが、現在は患者さんが快適に過ごせる環境を提供できています。その他にも、免震構造を採用したことで地震の際の揺れが少なくなり、手術時や処置対応時の医療への影響が軽減されました。特に、東日本大震災の記憶を持つ患者さんにとって、揺れによるフラッシュバックを抑制する効果もあるようです。
印象的なのは、建物からの眺望の良さです。当初は予想していなかったのですが、病院から岩手山をはじめとする岩手県の山々を一望できます。この景観の良さは患者さんにも非常に好評で、「あと1週間、入院していてもいいですか」と冗談交じりに言われるほど絶景です。
白石:
今後、栃内病院が目指す医療として、まずは手術件数をより増やせるようなシステム作りをしていきたいと考えています。現在でも整形外科として十分役割を果たしていると自負していますが、岩手県内だけでなく、青森県や秋田県からも患者さんが来院されるので、より多くの方に質の高い医療を提供していきたいと考えています。岩手医科大学とも連携しながら、これまで以上に岩手県の整形外科医療を支えていくことが重要だと考えています。
白石:
今、病院建替えサポートの利用を検討している担当者の方には「勇気を持って早く建替えの決断をした方が良い」とアドバイスしたいですね。病院を軌道に乗せることを考えると、少しでも早くスタートするのがベストかもしれません。
総合メディカルのサポートについては、彼らなしでは今回のプロジェクトをはじめることも達成することもできなかったと考えており、とても感謝しています。単なるコンサルタントではなく、実行可能な提案をし、親身になって取り組んでくれました。現在も病院経営全般についてアドバイスをもらっています。私たちの「右腕」以上の「両腕」のような存在として、今後の発展に力を貸してくれることを期待しています。